シミ、そばかす、肝斑(かんぱん)が発生してしまう原因は様々です。
一般的に知られているのは紫外線でしょう。紫外線が肌にあたると、皮膚は細胞を守るために「メラニン」という黒褐色の色素を作ります。メラニンが皮膚の表面に表れた状態、これがいわゆる「日焼けした肌」です。
日焼けした肌はおおよそ1ヶ月程度で剥がれ落ちて元に色に戻っていきます。
皮膚が生まれ変わるサイクルはターンオーバーといい、ターンオーバーが正常であればメラニンは残りませんが、ターンオーバーがうまくいかないと、メラニンが皮膚の表面に残ってしまい、最終的にシミとなってしまうのです。
シミは、服で隠れる場所であればそれほど気になりませんが、顔にできてしまうと目立ってしまい、急に顔が老けこんだ印象になってしまいます。
一度できてしまったシミはなかなか無くならず、ケアの方法に悩む方も少なくありません。
どうやってシミの予防や改善をしたらいいでしょうか。
ここではシミ、そばかす肝斑の予防方法や、シミができてしまったときのケア方法をご紹介します。
fa-arrow-circle-rightシミ、そばかす、肝斑(かんぱん)の原因や種類はこちら
シミの原因、紫外線
シミの原因になる紫外線。
紫外線(Ultraviolet:UV)対策グッズは日焼け止め、帽子、パーカーなどいろいろな商品がでています。
特にアウトドアや屋外スポーツ、スポーツ観戦などをする方には、デコルテから目の下まで覆うようなフェイスカバーが女性にも男性にも人気です。
毎年、いろいろなグッズが出ている背景としては、美容を意識し始める方が多くなってきたこともありますが、年々紫外線量が増加傾向にあることも理由のひとつではないでしょうか。
紫外線が注目され始めたのは1990年代以降。気象庁がつくばで観測している紫外線量の観測によると、紫外線量は1990年以降緩やかに増加しています。
また年間推移を細かくみると、紫外線量が非常に強いとされる日が昔よりも増えている結果となっているのです。
現在は1990~2000年頃よりも日焼けしやすい、シミができやすい環境と言えるでしょう。
紫外線量には、人に与える影響の度合いを指標化したUVインデックスというものがあり、0~16までの数値で評価されています。
UVインデックスの数値をおおまかに説明すると、1~2の数値は紫外線量は強くなく、3~7は中~強程度。3~7の数値では、日中は日陰を利用したり、日焼け止めを塗る、帽子を被るなど紫外線対策を行うことを奨励されています。
また、8以上になると紫外線量が非常に強い状態なので外出はできるだけ控え、長袖シャツや日焼け止め、帽子を被るなどの紫外線対策は必ず行ったほうが良いとされているのです。
日本では、2月~5月頃までは中~強程度の紫外線量の日が多く、5月~9月頃になると紫外線量が非常に強い日も頻繁に発生します。そして10~11月頃は中~強程度の紫外線量に落ち着いていきます。
つまり、紫外線量が弱い月は11月~1月のわずかな期間で、それ以外の期間は紫外線対策を奨励されているのです。
シミ(そばかす・肝斑)の予防方法
紫外線は雨でも曇りでも、冬でも夏でも降り注いでいますので、シミを作らないための紫外線対策はできれば一年中行い、肌を守ることが大事です。
少し大変に感じるかもしれませんが、シミ、そばかす、肝斑をつくらない予防方法の中でも重要な予防方法になりますので、頑張って気を付けてみてください。
また、紫外線対策と併せて毎日のスキンケアも行い、ターンオーバーを正常に機能するような肌にしていきましょう。
シミ予防:紫外線(Ultraviolet:UV)対策
最近ではいろいろな紫外線対策グッズがあり、男性も女性もUV対策ケアを手軽に行えるようになりました。
例えば、
- 日傘
- 帽子、サンバイザー
- サングラス
- 服(パーカー)
- アームカバー、グローブ、ハンドルカバー(自転車用)
- フェイスガード、ネックカバー、トレンカ
- 日焼け止め、UVカットシート、日焼け止めスプレー
などが挙げられます。
日傘や帽子、体の一部をガードするようなアイテムは、レジャーやスポーツなどシーンに合わせたコーディネートで選べるので、UV対策をファッションの一部として取り入れることができます。身に着けるグッズはUVカット率〇〇%と書かれていることが多いので、選ぶ目安にしてみてください。
日焼け止めはクリームやUVカットシートなどいろいろなタイプがありますが、SPFとPAという指標がありますので、この指標を参考に選んでいきましょう。
SPFはUV-Bという紫外線から肌を守る目安で、数値は効果の持続性を示しています。
PAはUV-Aという紫外線から肌を守る目安で、+から++++の4段階で表示され、+が多いほど効果が強いです。
一般的にはどちらの指標も高いほど効果は強いですが、肌への負担も大きいため、シーンに合わせた日焼け止めを選ぶのが良いです。
シミ予防:保湿
シミの予防には肌の保湿ケアも大事です。
人間の肌は年齢を重ねるにつれて乾燥しやすい肌になります。
乾燥した肌は紫外線によるダメージを受けやすく、ダメージを受けた肌はターンオーバーの周期が乱れてしまい、メラニンが排出されにくくなるのです。
逆に、肌が十分に潤っている状態を保つことで紫外線の刺激を抑え、ターンオーバーが乱れないように予防します。
保湿アイテムを選ぶ時は、「ヒアルロン酸」や「コラーゲン」「セラミド」などの保湿成分が入っているアイテムや、保湿力を重視している商品を選びましょう。
シミ(そばかす・肝斑)へのケア方法
次にシミができてしまった時のケア方法をご紹介します。
シミの原因はターンオーバーの乱れなどで排出されずに残ってしまったメラニンですので、低下したターンオーバーの機能を戻すケアを行っていきます。
規則正しい生活習慣
ターンオーバーを正常の戻すには規則正しい生活習慣を心がけましょう。
UV対策や保湿ケアよりも少し難易度が高いかもしれません。しかし、生活習慣自体の見直しは肌のターンオーバーだけでなく体全体への良い働きかけになります。
生活習慣の見直しとは、ストレスを減らす、バランスの取れた食生活をする、適度な運動をする、禁煙や飲酒を控える、良い睡眠をとる、新陳代謝を上げる、などが挙げられます。
それら全てをいきなり始めるというのはなかなか難しいです。
まずは、自分のできそうな範囲をピックアップして実践してみましょう。
食事
例えば食生活の改善では、以下のようなシミに効果がある栄養素をとることをおすすめします。
抗酸化作用のあるビタミンE、シミのもとになるメラニン色素の生成を抑えるビタミンCなど積極的に取りいれてみましょう。
ブロッコリー、キウイフルーツ、イチゴ、キャベツ、柑橘類 など
・βカロチン(ビタミンA)
にんじん、ほうれん草、ピーマン、柑橘類 など
・ビタミンE
ナッツ類、うなぎ、アボガド、胚芽米 など
・L-システイン
牛肉、サケ、卵、大豆、オートミール など
・ヘム鉄
牛肉、豚レバー、鶏レバー、しじみ、あさり など
美白化粧品を使う
市販で売られているスキンケア商品には、シミやそばかすを防ぐ効果や、メラニンの排出を促す効果があるといわれる成分を含む「美白化粧品」というスキンケアがあります。
美白化粧品に含まれている美白有効成分は以下の通りです。
- メラニンが生成されるのを防ぐタイプ
- メラニンを還元しシミを薄くするタイプ
- ターンオーバーの乱れを整えてメラニン排出を促すタイプ
など
例えば「ビタミンC誘導体」という成分はメラニンの生成を抑制したり、黒色メラニンを淡色に還元する働きがあります。「4MSK」「エナジーシグナルAMP」はメラニンの排出をサポートします。成分によってメラニンの働きかけが違いますので、肌の状態に合わせて選ぶのが良いでしょう。
エルクリニックのシミ治療
毎日のスキンケアはシミを予防する重要なポイントです。
シミを改善したい方は日々の食生活を見直してみたり、ストレスを和らげる方法を探してみましょう。
治療でシミを改善したい、セルフケアだけではなかなか改善できなかったから相談したい、という方は美容皮膚科でカウンセリングを受けるという方法もあります。
また、シミの種類によっては、レーザー治療などの方法でなければ除去が難しいものも。
美容皮膚科エルクリニックは、男女問わずシミやそばかす、肝斑でお悩みの方へカウンセリングを行っております。
医師が丁寧にご説明いたしますのでお気軽にお越しください。
銀座エルクリニック院長 簡野晃次
日本医科大学医学部 卒業
銀座エルクリニック 院長
医療法人社団友輝会エルクリニック 理事長
エルクリニック医師 木山麻衣子
筑波大学医学群医学類 卒業
東京大学医学部附属病院 形成外科
埼玉医科大学総合医療センター 形成外科・美容外科
東名厚木病院 形成外科・美容外科
虎ノ門病院 形成外科
所属学会
- 日本形成外科学会
- 日本乳房オンコプラスティクサージェリー学会
- 日本創傷外科学会
資格
- 日本形成外科学会認定専門医
- 乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師
- アラガンジャパン ボトックス認定医
- アラガンジャパン ジュビダームビスタ認定医
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論文発表
年代 | 雑誌名 | タイトル | 著者 |
---|---|---|---|
2011 | 『脱毛よさらば!―発見!新発毛メカニズム』 | 簡野晃次 | |
2023 | 日本形成外科学会会誌 43 (2) | 難治性下腿潰瘍の治療中に発症したメトロニダゾール誘発性脳症の2例 | 木山麻衣子 |
学会発表
年代 | 学会名 | タイトル | 発表者 |
---|---|---|---|
2019 | 第62回 日本形成外科学会総会 | 「歩行障害と排尿障害を呈した外陰部巨大脂肪腫症の治療経験」第7回 日本乳房オンコプラスティック | 木山麻衣子 |
2019 | サージェリー学会 | 「乳頭乳輪再建後の新しい乳頭保護材の開発」 | 木山麻衣子 |
2020 | 第63回 日本形成外科学会総会 | 「Development of a new nipple guard after NAC reconstruction」 | 木山麻衣子 |
2020 | 第29回 日本形成外科学会基礎学術集会 | 「脂肪腫の解剖 脂肪腫は神経血管束周囲で発生する」 | 木山麻衣子 |
2020 | 第8回 日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会 | 「乳輪乳頭再建術後の新規乳頭保護剤の開発」 | 木山麻衣子 |
2021 | 第26回 形成外科手術手技学会 | 「新規乳頭保護剤Nipple Shapeの開発と使用経験」 | 木山麻衣子 |
2021 | 第64回 日本形成外科学会総会 | 「新規乳頭保護剤Nipple Shape 開発と使用経験」 | 木山麻衣子 |
2021 | 第65回 日本形成外科学会総会 | 「下肢難治性潰瘍の治療中に発症したメトロニダゾール脳症の2例」 | 木山麻衣子 |